To be or not to be—that is NOT the question AT ALL
そうなのか、そうじゃないのか、そんなことはどうでもいい
フェミニズム視点から『ハムレット』を批判し、木村自身の新訳や様々なテキストの引用、改作により、男たちの物語、演劇史、社会を告発する新作を上演します。
ベケットや金時鐘、司辻󠄀有香など先鋭的かつ周縁的な作家の言葉をミニマリスティックにストイックに、かつ大胆な切り口で演出してきた木村がシェイクスピアに初めて挑みます。
男たちに翻弄・侮辱され、しかし、自らを貫き、時に策略を巡らす『ハムレットの女たち』は、現代を生きる全ての「女たち」に共鳴し、男たちの世界に反旗を翻し、奪い取る。
【ご報告】
&Co.と和田さんとの両者で形成された事前の取り決めが守られなかったことに原因があり、本作に出演予定だった和田華子さんから出演辞退の申し出があり、9/8時点でそれを受理いたしました。
これに伴い、新たにハムレット役として立浪歩佳を迎えました。何卒、よろしくお願いいたします。
母子家庭に育ち、父親という存在がピンと来ず、そもそも「家族」というものへの意識が希薄で、セクシャル・アイデンティティを問われたときに怠惰な理由で「バイです」と返答するわたし。わたしかあなたか、男か女か、生か死か、そんな二分法なんてハナから問題にならない。そうだ、シェイクスピア作品の中でも一番気に入らない『ハムレット』をジャックしてやろう。
友人の「シェイクスピアとかやってみたら」という冗談のような提案があまりに意外すぎ、本気で考えてみた結果、こんな大それた計画を立ててしまいました。
これまで何かしらのシンパシーを感じるテキストでないと取り組みたいと思えなかったのに、今回はその全く逆。それが自分の中で可能になるぐらい、〈ハムレット〉は私たちと無縁と言い切れない西洋の巨塔なんだと今回、思い直しています。自分のシェイクスピアへの反感を逆手に取り、シェイクスピアを使って、シェイクスピアをひっくり返す。それは現代を生きる私、そしてあらゆる「女たち」を生きる者の日々にとって、価値あるものになるはずです。
今、些細な点ですが、この文章を書きながら、〈ハムレット〉と「女たち」という2種類の記号を使っています。〈ハムレット〉は、シェイクスピアの『ハムレット』とその源流や派生物、そしてそこから想起される、ある人々が現に共有しているものの総体を示しています。一方で「女たち」も、この語を構築したり、そこから想起されるものの総体ですが、この2つの決定的な違いは、「女たち」という言葉が呼称だということです。
そう他者から呼ばれることもあれば、敢えてこの語で自らを呼び表すこともある。「女たち」という呼称はこれまでも、そして残念ながらこれからも、その意図に応じて様々に用いられ、その佇まいを変えるものです。だからこそ、良いことなのか悪いことなのか、この語はあらゆる人々が自らの中に見出すことができるかもしれない可能性を持っていると私は思います。
『ハムレットの女たち』という作品名は、そんな複合的な絡み合いを前提に新たな跳躍を目指しています。あまりに大それた思惑過ぎて本当にそんなことできるのかと自分に問い掛けたくもなります。けれど、一度やると決めたらやってみないと気が済まないのがわたしの性分だから仕方ありません。誰かの心に響くものになるか、無様なものになるか、それは問題ですが、どうでもいい。とにかく全力で地面を蹴るのです。
2024年10月
4日(金) 19:00 *
5日(土) 13:00 ☆1 / 18:00 ☆2
6日(日) 14:00 ☆3
* = 終演後、オープニング・レセプション
[場内にてご歓談いただけます。簡単なドリンクやスナックをご用意します。 持ち込みも歓迎いたします。ぜひご参加ください。]
☆ = 終演後、木村悠介とのゲストトーク
[ゲスト]
☆1 = ソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッド
☆2 = 山田せつ子(ダンサー / コレオグラファー)
☆3 = 本作出演者
※受付開始・開場は開演の30分前
前売 一般 2,800円
学生&U30 2,300円
※当日500円増
※学生&U30は受付にて要証明書提示
※未就学児を含む中学生以下と要支援・介護者の付添人は無料・要事前連絡
We provide the simple automatic English translation in every show by iOS/Android app UDTalk. Please install it on your device beforehand and note that the translation is not perfect and has delay.
iOS/Androidアプリ「UDトーク」を利用した簡易自動日本語/英訳字幕を全公演で提供いたします。お手持ちのデバイスに事前にインストールをお願いします。また、字幕が完全ではないこと、時差が生じることを予めご了承ください。
iOS / Android / Amazon Kindle
原作:W. シェイクスピア『ハムレット』
作・演出:木村悠介
出演:
何気なく映画を観るようになり、その中で自分の感情に寄り添ってくれる作品や演技に出会い、2023年から自らも俳優を志し活動を開始。2024年に自主制作webドラマ夏作品『ここから』で映像作品に初出演(近日公開予定)。今回が初の舞台出演となる。
俳優として、言葉にできない感情が伝えられる演技を目指している。
趣味はツーリングで、中型バイク「FTR223」に乗る元トリマー。
https://lit.link/e090b4c2-5561-441d-a7a9-48fa7277ea58
学生劇団・アマチュア演劇で活動し、大学卒業を前に21歳でNHKドラマにデビュー。その後はドラマ・舞台両方で活躍。代表作にドラマ:TV「NHK広島発特別ドラマ・帽子」、映画「パッチギ2 Love&Peace」、舞台:リーディング公演「アフタープレイ」など。
また自身プロデュースの活動も行い、任意団体「アクターズワークス」でマイズナーシステムの演技トレーナーとしても活動。他にNHK朝ドラの新人トレーニング、新国立劇場演技研究所常任講師など。
https://yukihiromi.blogspot.com/
11歳の時に友人に誘われて市民ミュージカルに出演したことから、舞台に立 つ面白さを知りミュージカル俳優を志す。 高校卒業後、渡辺ミュージカル芸術学院にて歌やダンス、芝居を学ぶ毎日を 過ごすなかで芝居への興味が強くなり、現在はストレートプレイの舞台を中 心に活動中。 出演作: BOOT vol.9「In the womb 2023〜赤ちゃんといたい〜」、流山児★ 事務所2023秋公演「瓦礫のオペラ★戦場のピクニック」など。
リサーチ・パートナー:ソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッド
制作:金井美希
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]
協力:Tolpa予約・受付管理システム
主催:&Co.
シェイクスピアの原作をフェミニズム視点で描き直す新作『ハムレットの女たち』のことを偶然知り、強い関心を持ったインドの俳優・演出家のソチからのメッセージを受け、〈ハムレット〉という西洋の巨塔に立ち向かう国際共同リサーチを立ち上げました。オンラインでの対話を経てソチが来日し、本年10月の上演を共に迎えます。そしてこのリサーチを支えるためのクラウド・ファンディングを実施します。
皆様のご支援とご助力を心よりお願い申し上げます。
シェイクスピアの原作をフェミニズム視点で描き直す新作『ハムレットの女たち』(2024.10.4-6. @SCOOL)と連動し、インドの俳優・演出家のソチ・ラマパティ・ドゥイヴィッドとの国際共同リサーチを行い、オンラインでの対話での成果を台本執筆やクリエイションに反映させ、9月下旬にはソチが来日し、本作の上演を共に迎えます。そしてこのリサーチの成果を広く共有するためのドキュメントの製作・公開も行います。
クラウドファンディングは支援総額120万円を目標にBOOSTER・CAMPFIRE特設ページにて実施します。
ご支援いただいた皆様には様々なリターンをご用意しております。
まずは詳細をご覧いただき、プロジェクトのお気に入り登録をしていただきますようお願いいたします。このプロジェクトの注目度を上げ、より多くの皆様にこのプロジェクトにご関心を寄せていただけます。また、お気に入り登録でプロジェクトの進捗のお知らせを届けられるようにもなります。
皆様のご支援と、お知り合いやSNSへのシェアや応援コメントなどのご助力を、何卒、お願い申し上げます。
木村悠介
【日印対話】国際共同リサーチ
『〈ハムレットの女たち〉のためのダイアローグ』
目標金額:1,200,000円
支援募集期間:2024年9月30日(月)23:59まで
詳細・ご支援:以下のURLのBOOSTER・CAMPFIRE特設ページ
https://camp-fire.jp/projects/779660/
支援方法:BOOSTERまたはCAMPFIREアカウントを作成し、ご希望のリターンを選択して支援情報をご入力ください。リターンに応じた支援額とは別に金額を上乗せすることも可能です。またお支払いはクレジットカード、PaypalやPayPayなどの電子決済、コンビニ払いなどの中からお選びいただけます。
俳優、演出家、教育者、演劇のためのアクティング/ムーブメント・ボイス/スピーチトレーナー。インドにて舞台芸術修士と文学修士を、インターカルチュラル・シアター・インスティテュート(シンガポール)でプロフェッショナル ディプロマを取得。インドのM.L.R Theatre Foundationの芸術監督、シンガポールのTheatre Incorporateの共同設立者 / ディレクター。
以下の国際的に著名な指導者・演出家から指導を受ける。
アールネ・ネメ(Aarne Neme)、T・サシタラン(T. Sasitharan)、フィリップ・ザリリ(Phillip Zarilli)、B・アナンタクリシュナン(Prof. B.Ananthakrishnan)、ラムゴパール・バジャージ(Prof. Ramgopal Bajaj)、モハン・マハリシ(Mohan Maharishi)、S・ラマヌジャム(Prof. S.Ramanujam)、アビラーシュ・ピライ(Abhilash Pillai)、マーク・ワインブラット(Marc Weinblatt)、リーラ・アラニズ(Leela Alaniz)、ギジェルモ・アンジェレッリ(Guillermo Angelelli)、アドリアーノ・バセヨ(Adriano Basejo)、ロビン・ペイン(Robin Payne)、バート・ヴァン・ダイク(Bert Van Dijk)、ヌシャド・モハメド・クンジュ(Noushad Mohamed Kunju)、サティヤブラタ・ルート(Satyabrata Rout)など。
多彩な役柄、教育法、ボディムーブメント、ヴォイスワークに優れ、多様な伝統芸能、リアリズム演技、精神身体表現、異文化間の舞台芸術に精通している。
Facebook/Instagram/Youtube: Soti RPD
演出家、パフォーマー、「&Co.」代表、「gallop」共同代表。
舞台芸術を中心に領域横断的に活動し、<自他境界の撹乱>を通底するテーマに作品を発表。京都造形芸術大学で舞台芸術と映像芸術を、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)でメディア・アートを学び、2012年に渡独。ベルリン芸術大学 (UdK Berlin) 所属 Hochschulübergreifende Zentrum Tanz Berlin(HZT Berlin) 修士課程 Solo/Dance/Authorship (MA SODA)で身体を表現の基軸に据えたソロ・アーティストとしての教育を受ける。2016年に帰国。2021年に始動した長期プロジェクト「罵倒の作法」のスタートアップ・リサーチが京都芸術大学 舞台芸術研究センター 文部科学省認定「舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点」2021年度リサーチ支援型公募研究に採択。またパフォーマンス・グループ「gallop」では他3名との特定のリーダーを持たない共同演出による作品制作を行う。
「罵倒の作法」03 司辻有香 新作公演『うぶごえ』(2023 / 東京)
個の奥底の叫びをえぐり取る司辻󠄀有香の新作を上演。
「罵倒の作法」02『日々よ、愛うすきそこひの闇よ』(2022 / 東京, 京都)
ディアスポラの詩人・金時鐘の詩をテキストにした演劇作品。
サミュエル・ベケット『わたしじゃない』 (2016, 2019 / 京都, 東京)
「Boxless Camera Obscura(箱なしカメラ・オブスキュラ)」という独自の映像投影技術を用いた新演出。[Photo: Tomo Wakita]
『body-Sampling-body』(2011, 2014 / 岐阜, デュッセルドルフ)
舞台上の身体と分裂・増殖する映像の中の身体が現実と虚構の境界を侵食し合うメディア・ダンス作品。
世界中を飛び交う罵詈雑言や攻撃性に対抗する「罵倒の作法」第二弾クリエイションとして、個の奥底の叫びをえぐり取る司辻󠄀󠄀有香の新作を上演します。司辻󠄀󠄀作品の関東初上演に、これまでベケットや金時鐘の言葉にストイックかつ斬新なアプローチを行ってきた木村悠介が挑みます。本クリエイションでは散文体による司辻󠄀󠄀の新作執筆とその言葉をいかに俳優の身体が引き受けるのかに焦点を定めた上演を行います。
「罵倒の作法」プロジェクト詳細はこちら。
身体はいつの間にか社会的になる。気がつけば、もうすでに全身が日々の生活のために制度的な機能を働かせる。権力に奉仕する身体。そのどうにもならない違和に向けて身体が言葉を書く。言葉を書くそばからまた違和が見つかり、言葉は果てしのない闘いになる。身体は欲望でみちあふれ、あなたを求めていたというのに。このわたしの身体を生活にあまんじる身体からあなたを求める身体へと作り変えるために言葉があるのだ。司辻󠄀さんの劇の言葉は闘いの言葉である。つまり、それこそが演劇なのだ。
松田正隆(劇作家・演出家)
2023年7月7日(金)〜9日(日) SCOOL(三鷹)
司辻󠄀有香 Arika Kasatsuji
1981年、富山県出身。劇作家・演出家・俳優・辻󠄀企画主宰。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学) 映像・舞台芸術学科 舞台芸術コース第1期卒業。直截な言葉を用いて、生身の視点から愛を描く表現が「皮膚感覚的」と称される。作品に、『愛と悪魔』(第12回OMS戯曲賞佳作)、『I love you (In the bed)』(第2回京都芸術センター舞台芸術賞佳作)等がある。
三鬼春奈 Haruna Miki
1985年生まれ。名古屋出身。 俳優。パフォーマー。 京都造形芸術大学(現京都芸術大学)映像・舞台芸術学科 舞台芸術コース卒業。 大学入学と共に京都に移住。18年間京都で活動していたが、2022年拠点を東京に移す。 主に俳優として活動しており、これまでに、努力クラブ、笑の内閣、カイテイ舎、等京都の小劇場を中心に出演をしてきた。木村悠介の、前作「罵倒の作法」02『日日よ、愛うすきそこひの闇よ』にも出演。
また、共同演出・出演をメンバー全員で行うパフォーマンス・グループ「gallop」のメンバーで、「gallop」の全作品に参加している。
作:司辻󠄀有香(辻󠄀企画)
演出:木村悠介
出演:三鬼春奈
助成: 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 [ スタートアップ助成 ]
主催:&Co.
拭い難い記憶を抱えたまま、生きていかねばならない日々の中で紡がれた言葉。
<ディアスポラの詩人> 金時鐘の詩をテキストに、日本語を母語とする俳優たちが向き合う。
2022年12月
[東京]7日(水)〜11日(日) テルプシコール
[京都]21日(水)〜25日(日) The side
サミュエル・ベケット『わたしじゃない』の新演出で言葉と身体の関係を静かに、しかし激しく揺るがした木村悠介が、日本の現代詩においても特異な存在として多くの人々に影響を及ぼす金時鐘(キム シジョン)の詩を通して、日本語の内なる外の領域を探る。
戦後日本に渡り、「在日」として生きながら日本語で詩を書き続けてきた金時鐘。日本語への「報復」として編まれたその言葉は、「日本語」の言語体系に静かな撹乱をもたらす。
本作は長期プロジェクト「罵倒の作法」のクリエイション第一弾として上演される。
金時鐘の詩に込められた、ある人々の身体に刻まれた記憶と声。罵倒を押し殺して生まれ出たかのような言葉と、そのような言葉を抱えた生の在り方から編み出された「罵倒の作法」は、他者の言葉を語ることを生業とする俳優の身体とその在り方にどのように響くだろうか?
金時鐘 KIM Shijong
1929年朝鮮釜山市生まれ。父は元山市(現・北朝鮮)、母は済州市(現・韓国)出身。日本の植民地統治下で幼い頃から日本語に親しみ、皇国少年として育つ。朝鮮語に疎くハングルひとつ書き取れないまま16歳で終戦を迎える。その後、朝鮮人としての自覚を深めるとともに社会主義に共鳴。済州島四・三事件に関わり、1949年に両親を残し日本に渡る。同胞からの批判にも抗し、一貫して日本語で詩作を続ける理由を金時鐘は「日本語への報復」とある時に表現している。
詩集に『長篇詩集 新潟』(構造社)、『なくした季節—四時詩集』(藤原書店、高見順賞受賞)など。現在、『金時鐘コレクション』(全12巻、藤原書店)が刊行中。
演出:木村悠介
テキスト:金時鐘『集成詩集 原野の詩』(立風書房)
出演:磯和武明 伊藤彩里 井上知子 三鬼春奈 三田村啓示
照明:杉本奈月(N₂ / 青年団)
衣装;新庄範子
舞台監督:ステージワークURAK
演出助手:山崎恭子(居留守)
制作:金井美希
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業
主催:&Co.
舞台芸術を中心に領域横断的に活動してきた木村悠介が特定の個人名に集約されない多様な才能が行き交う場として2022年に設立。木村の長期プロジェクト『罵倒の作法』の企画制作を引き継ぎ、世界中を飛び交う罵詈雑言や攻撃性に対抗するリサーチやクリエイションを展開する。演劇、ダンス、現代美術、メディア・アートなど、様々な芸術領域を横断しつつ、芸術や社会、テクノロジーなどの歴史的文脈を見据え、現代社会やそこに生きる個人の内的な思考や感情、感覚を深く掘り下げ、鋭利な批評性や大胆なオルタナティヴを示し、既存の価値観や倫理観、社会への問題提起を行う。